『水晶振動子内蔵型』リアルタイムクロック(RTC)モジュールの構造とメリット


『水晶振動子内蔵型』のリアルタイムクロックモジュール には様々なメリットがあります。

 

@ 周波数誤差(時刻のずれ)が最小限に抑えられます

リアルタイムクロックモジュール生産工程の 最終の封じ前に水晶振動子が調整されるため、
マッチング誤差の影響やや周辺部品のばらつき誤差等の影響がありません

水晶振動子外付けの場合に発生する外部要因による誤差の増加(±10〜20ppm増加する場合も)が無いため時計精度が向上します。

 


 ※ICを搭載している状態でXTALが調整されるため±20ppm規格の水晶振動子外付けの場合よりも時刻精度が向上します。
  → 低消費電流・シンプル機能  RV-8263-C7
    .... 常温偏差:±20ppm (常温での月差:52秒)
    超低消費電流・電源切替機能付き RV-3028-C7
    .... 常温偏差:±1ppm (常温での月差:2.6秒)

 

Aユーザー調整不要の高精度な温度補償タイプをラインアップ

工場出荷時に水晶振動子の特性に合わせて温度補償の調整がされており、ユーザー調整は不要で高精度な時刻を得られます。

 

RTC リアルタイムクロック 温度特性(クリックで拡大)

 

<高精度・温度補償リアルタイムクロックモジュールの例>
 → 高精度温度補償   RV-8803-C7 .... ±1.5ppm (0-50℃)/±3.0ppm(-40〜+85℃)
     → 0-50℃の温度変化環境で 月差:3.9秒
 → RV-8803-C7 の1年間の時刻誤差実測例 
     → 長期でも時刻精度を保ちます。

 

B基板専有面積が最小化されます

★業界最小サイズのXTAL内蔵リアルタイムクロック/3.2×1.5×0.8mmでXTALを内蔵しています。
 パッケージは信頼性の高いセラミックパッケージ (MSLレベル=1)。
 かつ低消費電流のためバックアップ電源の小型化も図れます。

水晶振動子内蔵リアルタイムクロックの構造

・水晶振動子とRTC-ICが立体的にハウジングされるため底面積が大幅に削減されます。
★外形寸法= 3.2×1.5×0.8mm 他

 

・信頼性の高いセラミックパッケージを採用。パッケージ内部は真空に保たれています。

 

 

C超低消費電流で時刻情報を保持

※マイコンからは切り離されて超低消費電流で時刻情報を保持するためバックアップ電源を小型化。
 または時刻保持期間を長く出来ます。

 

 

超低消費電流・電源切替機能付き RV-3208-C7 ..... 50〜115nA Typ. (@+3V/+25℃)
バックアップ電源回路の接続例

 

またマイコンを必要な時だけ稼働させて待機時はスリープさせることで、更に大幅な低消費電流化が図れます。
外付けRTCモジュールによるシステム全体での消費電流の大幅な削減
RV-3028-C7 リアルタイムクロックモジュールによるWSNアプリケーションでの複数割り込み信号ラインの設定

 

D環境耐性/基板汚染等に対する耐性に優れています

※XTAL〜発振回路IC間は密閉されたパッケージ内のため基板汚染による時刻精度の劣化がありません。
外付け振動子回路の場合はコンデンサ及び振動子端子が外部に暴露しているため基板汚染により時刻遅れが生じる場合があります。それに対しXTAL内蔵のリアルタイムクロックでは基板汚染の影響を受けません。FA機器など厳しい環境のアプリケーションには有利になります。

 

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E マイコンから離れた場所に部品配置できます

※ 水晶振動子内蔵リアルタイムクロックモジュールはマイコンと最短距離に配置する必要がありません。
 → 基板上での設置場所を選ばないため、基板設計の自由度が上がります。