(5年〜10年以上の長期間の電源バックアップが必要な場合)
( 回路構成/RV-8803-C7の場合 = 電源切替機能無し・ダイオードを使用 )
@ RTC (RV-8803-C7) の消費電流 = 0.24uA Typ. (+3.0V, @+25℃)
A バックアップ切替のダイオードの漏れ電流 = 0.1uA Max.
(推奨品番のダイオードの仕様より)
∴消費電流は @A合計で 『0.34μA』となります。
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以下、各サイズのリチウムコイン電池の容量を元にした持ち年数の単純な計算例です。
(実際には電池の自己放電・自己劣化がありますので期間が長くなればなるほど
この計算通りにはならない面がありますのでご配慮下さい)
(A) バックアップ一次電池が CR2032の場合、公称容量 『220mAh』
→ (220mA÷0.34μA)×h ≒ 647,058 (h)
≒ 26,960 (日) = 73年と315日
(B)バックアップ一次電池が CR1620の場合、公称容量 『75mAh』
→ (75mA÷0.34μA)×h ≒ 220,588 (h)
≒ 9,191 (日) = 25年と66日
(C) バックアップ一次電池がCR1220の場合、公称容量 『35mAh』
→ (35mA÷0.34μA)×h ≒ 102,941 (h)
≒ 4,289 (日) = 11年と75日
(D) バックアップ一次電池がCR1025の場合、公称容量 『30mAh』
→ (30mA÷0.34μA)×h ≒ 88,235 (h)
≒ 3,676 (日) = 10年と26日
上記は机上の計算ですがリチウムボタン電池では年単位の時刻保持が可能です。こちらは常温環境条件での計算です。高温環境では@RTC自体の消費電流の増加 Aダイオードの漏れ電流の増加 により電池の消耗がより早く進みます(RV-8803-C7の対温度の消費電流変化は下グラフの実測データをご参考にされて下さい)。
またそれ以外の要因:電池自体の長期での自己放電や温度変化による(低温環境での)電圧降下、その他部品のばらつきなどの誤差要因があります。
実際の製品設計の際には十二分に電池容量に余裕のあるの電池を選択します。
( 一般には メモリのバックアップ用などと兼用されるため余裕のあるCR2032が良く用いられています )
(関連ホワイトペーパー) 高精度RTCモジュール <RV-8803-C7> でにて電気二重層キャパシタを使用する例
→ ホワイトペーパーE RV-8803-C7 高精度リアルタイムクロックモジュールのバックアップ電源について
(数時間〜1ヶ月程度までのバックアップが必要な場合)
( 回路構成/RV-3028-C7 の場合 = 電源切替機能付き・トリクルチャージ機能付き )
<RV-3028-C7 リアルタイムクロックのレジスタ設定>
(レジスタの設定により消費電流が変わります)
@ 『ダイレクト電源切替えモード』に設定
A 『トリクルチャージ:オン』に設定
この時のRTCのバックアップ時の消費電流 = 0.095uA Typ. (+3.0V, @+25℃)」
※ RV-3028-C7 は電源切替回路内蔵のため、外部のダイオードは不用です。
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<超小型SMDチップ電気二重層コンデンサを用いた場合の例>
・リアルタイムクロックモジュール品番: RV-3028-C7-TA-QC
・電気二重層コンデンサ: 3225サイズ/容量:0.011F
・Vdd電圧:+3.3V (RV-3028-C7の動作電圧:+1.1〜+5.5V/時計保持時 )
・温度: 室温環境
・トリクルチャージ抵抗: 3kΩ
( RV-3028-C7の時刻保持最低電圧 ≧1.1V )
・電気二重層コンデンサの容量値(0.011F)を電池容量に換算すると簡易計算で約4.5μAh 程度になります。RTCモジュールの消費電流が0.095uA Typ.とすると 4.5(uAh)÷0.095(uA) ≒ 47.36(時間)のバックアップ時間となり、実測テストの結果もそれに近い値になっています。
容量が増えるとその分保持時間も伸びますので、例えば0.22Fの電気二重層コンデンサの場合は電池容量に換算すると簡易計算で約100μAh 程度になりますので、100(uAh)÷0.095(uA) ≒ 1052.6(時間)≒43日と20時間のバックアップ時間になります。
※ RV-3028-C7 で一次リチウム電池をバックアップ電源に用いる場合は、『レベル電源切替え』の設定を使用しトリクルチャージはオフとします。
<関連情報>
・リアルタイムクロック(RTC)モジュールの Q&A
・リアルタイムクロック(RTC)モジュールの主な機能
・水晶振動子内蔵リアルタイムクロック(RTC)モジュールのメリット
・リアルタイムクロック(RTC)モジュールの時計精度の計算について(月差・日差)
・リアルタイムクロック(RTC)モジュールの接続回路例(電源切替機能付き 及び 電源切替機能無しタイプ別)
・リアルタイムクロック(RTC)モジュールのバックアップ電源自動切替機能について
・型番毎の消費電流について (RV-8803-C7, RV-3028-C7, RV-8263-C7での実測例)
・リアルタイムクロック(RTC)モジュールのバックアップ電池について(一次リチウムコイン電池・電気二重層・全固体電池)
・高精度/温度補償リアルタイムクロック(RTC)モジュールの温度特性
・I2Cインターフェースについて
・リナックスドライバのダウンロード