水晶振動子内蔵リアルタイムクロック(RTC)モジュール
型番毎の『月差』

★ リアルタイムクロックモジュールの型番ごとの月差を下図のグラフにしています。
  ・常温周波数偏差規格 = ±1ppm/±5ppm/±10ppm/±20ppm など
  ・周波数温度特性 = 温度補償機能の有無 → 温度補償付きRTCモジュールの温度特性
水晶振動子内蔵のリアルタイムクロックモジュールは『 外付けXTAL+IC』 の組み合わせよりも時刻精度に優れています。

■ 型番毎の『月差』比較:0〜+50℃ 環境 ■ 型番毎の『月差』比較:-40〜+85℃ 環境


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リアルタイムクロクモジュール・型番毎の『月差』の計算

(例@)温度補償タイプ
   RV-8803-C7 , RV-3032-C7 の場合の月差(30日での時刻誤差)

 

温度補償タイプの場合の偏差は、デジタル温度補償にて温度変化時も精度を保ちます。
仕様値は温度偏差を含む値になりますので『0〜+50℃にて±1.5ppm以内』になります。

 

 (0〜+50℃ の場合/温度偏差含めて±1.5ppm以内)
    ・±1.5(ppm)×E-6 ×60(秒)×60(分)×24(時間)×30日
    =±1.5×E-6 ×2,592,000(秒)
    ±3.88(秒) ..... 0〜+50℃ の条件

 

 (-40〜+85℃ の場合/温度偏差含めて±3.0ppm以内)
    ・±3.0(ppm)×E-6 ×60(秒)×60(分)×24(時間)×30日
    =±3.0×E-6 ×2,592,000(秒)
    ±7.78(秒) ..... -40〜+85℃ の条件

 

※ 実際基板ではこの計算にフローによる変動が0.5〜1ppm
Typ.  (最大で2ppm程度)   あることを追加して考慮する必要があります。リフロー変動の予想される平均値にて予めファームウェアでオフセット設定しておくことも出来ます。
( RV-8803-C7のオフセット分解能: 0.238ppm Typical )

 

 

(例A)常温偏差:±1ppm
   温度補償無し RV-3028-C7 の場合の月差(30日での時刻誤差)

 

常温偏差が±1ppmの RV-3028-C7 の場合は以下になります。
温度特性は 内部の振動子の温度特性 になります。

 

 (+25℃一定の場合)
    ・±1(ppm)×E-6 ×60(秒)×60(分)×24(時間)×30日
    =±1×E-6 ×2,592,000(秒)
    ±2.592(秒)..... +25℃一定の条件

 

ただしこれは温度が+25℃で一定の場合ですので、実際環境では温度変化があります。

 

RV-3028-C7 は温度補償は無いため 温度特性 は以下になります。

 

・+15〜+35℃(+25℃±10℃)の温度範囲では『-3.5ppm前後』の温度特性
・ 0〜+50℃(+25℃±25℃)の温度範囲では『-21.875ppm前後』の温度特性

 

従って温度を含めた時刻誤差は、

 

 (+15〜+35℃ の場合/温度による偏差は-3.5ppm)
    ・-4.5(ppm)×E-6 ×60(秒)×60(分)×24(時間)×30日
    =-23.5×E-6 ×2,592,000(秒)
    -11.664(秒) ..... +15〜+35℃ の条件での月差

 

 (0〜+50℃ の場合/温度による偏差は-21.875ppm )
    ・-22.875(ppm)×E-6 ×60(秒)×60(分)×24(時間)×30日
    =-22.875×E-6 ×2,592,000(秒)
    -59.292(秒)..... 0〜+50℃ の条件での月差

 

※ 実際の量産基板ではこの計算に加えてリフロー実装による変動が0.5〜1ppm Typ.  (最大で2ppm程度) あることも追加して考慮下さい。

 

 

(例B)標準仕様品/常温偏差:±20ppm、温度補償無し
   の場合の月差(30日での時刻誤差)
  RV-8263-C7,  RV-8063-C7, RV-2123-C2 など

 

常温偏差が標準的な±20ppmの RV-8263-C7 ,RV-8063-C7 などの場合は以下になります。

 

  ・±20(ppm)×E-6 ×60(秒)×60(分)×24(時間)×30日
  =±20×E-6 ×2,592,000(秒)
  ±51.84(秒)..... +25℃環境での月差(±20ppm品/温度補償無し)

 

ただしこれは温度が+25℃で一定の場合ですので、実際環境では温度変化があります。
 RV-8263-C7RV-8063-C7 は温度補償は無いため温度特性は内部の振動子の温度特性になります。

 

・+15〜+35℃(+25℃±10℃)の温度範囲では『-3.5ppm前後』の温度特性
・ 0 〜+50℃(+25℃±25℃)の温度範囲では『-21.875ppm前後』の温度特性

 

従って温度を含めた時刻誤差は、

 

  (+15〜+35℃環境)
  ・-23.5(ppm)×E-6 ×60(秒)×60(分)×24(時間)×30日
  =-23.5×E-6 ×2,592,000(秒)
  -60.912(秒) ..... +15〜+35℃ の条件での月差

 

  (0〜+50℃環境)
  ・-41.875(ppm)×E-6 ×60(秒)×60(分)×24(時間)×30日
  =-41.875×E-6 ×2,592,000(秒)
  -108.54(秒)..... 0〜+50℃ の条件での月差

 

となります。
これらの月差で要求仕様を満たさない場合には、より月差の良い RV-3028-C7、または
温度補償タイプRV-8803-C7 , RV-3032-C7 などをご検討下さい。

 

水晶振動子内蔵リアルタイムクロックモジュールの
型番毎の『日差』のグラフ比較

■ 型番毎の『日差』比較:0〜+50℃ 環境 ■ 型番毎の『日差』比較:-40〜+85℃ 環境


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条件 リアルタイムクロックモジュール/型番

RV-8803-C7 *
RV-3032-C7*

RV-3028-C7

RV-8263-C7
RV-8063-C7

RV-3129-C3*
RV-3149-C3 *
Opt.A

RV-3129-C3*
RV-3149-C3 *
Opt.B

RV-2123-C2

温度+25℃一定
での日差

±0.13秒以下
(※1)

±0.09秒 ±1.73秒 ±0.26秒 ±0.26秒 ±1.73秒

温度範囲:0〜50℃
での日差

±0.13秒
(※4)

-1.97秒
(※2)

-3.62秒
(※3)

±0.34秒 ±0.43秒

-3.62秒
(※3)

温度範囲:-40〜85℃での日差 ±0.26秒

-12.8秒
(※2)

-14.5秒
(※3)

±0.52秒 ±2.17秒

-14.5秒
(※3)

*の型番は温度補償タイプです。
(※1) RV-8803-C7RV-3032-C7 の+25℃一定での値は0〜+50℃の温度特性含めての規格になりますので
   実際の値は RV-3028-C7 よりも良い値になります。

 

※ 温度補償でないタイプの温度係数は以下で計算しています。
 32.768KHz水晶振動子の温度係数=0.035  ppm/°C^2 (T-To)^2±10%。
  (例 : -40℃時では -147.875ppm ±10% )
(※2) 温度係数に誤差が最大となる場合の常温偏差の最大値 (-1ppm)を加算して計算。
(※3) 温度係数に誤差が最大となる場合の常温偏差の最大値 (-20ppm)を加算して計算。

上記のグラフ及び表の計算には リフローによる変動値は含めていません(メーカー出荷時の値で計算しています)。
量産製品の設計時にはリフローによる変動が0.5〜1ppm Typ. (最大で2ppm程度)
ありますので、そちらも設計の際に考慮に入れる必要があります。